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 (有)龍神自然食品センター
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 〒645-0415
 和歌山県田辺市龍神村西230

 TEL 0739-78-2060
 FAX 0739-78-0952


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 ・龍神村商工会
 ・チェーンソーアート・ジャパン



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  老 い も 若 き も

  71号

御無沙汰しています。

新製品の開発室からです。ここ2年前ぐらいから、煎り酒という調味料を販売したいと考えて、製品化に向けて試行錯誤しています。煎り酒とはどんな調味料かと言いますと、醤油が高級品で一般的に浸透する江戸時代までは、庶民の一般的な調味料として広く使われていたのですが、醤油が普及するに従い次第に利用されなくなっていったそうです。それまでは日本の食卓で普通に使われていたのです。この歴史ある調味料を復活させたいと思って2年以上前から色々な開発、研究を重ねてきました。かくいう私も煎り酒を知ったのは3年くらい前で、和歌山の岩出市で日本料理屋さんをやっている私の友人が、ある日食事に行った時、鰯の梅煮が出た時の会話で、

大将 「最近は本当に日本料理に使える梅干が少なくなってきたんですよ」

私 「えっ?どう言う事ですか?」

大将 「いやぁ・・・鰯を煮るのに何で梅干を入れるかと言うと、梅干の酸で鰯の骨がやわら かくなるんですよ。それに梅干を添えて出すんですが、うちで5時間ぐらい煮るんですが、 それでも一緒に煮た梅干にしっかり味が残ってるような梅干が少ないんです。寒川さんの 梅干は本当に日本料理に使える貴重な梅干ですよ」

と言われめちゃくちゃ嬉しかったです。それと同時に驚いたのは、5時間煮た鰯の表面がまだ青魚の綺麗なままのうろこで光っていた事です。

私 「大将。何でこの鰯5時間も煮て綺麗なままなん?」

と聞くと、

大将 「いや、下処理から丁寧にやると普通ですよ」

と、サラっと言われ、日本料理のすごさを垣間見た気がしたものです。その後大将から、

「寒川さんの梅なら美味しい煎り酒が作れますよ」

と言って頂き、煎り酒の作り方や歴史を大将から教えてもらったのです。煎り酒を簡単に説明すると、基本は古酒(日本酒)に梅干を入れて煮切ってアルコールをとばした物で、梅の香りと酸味や塩分で非常にあっさりとした上品な調味料です。鰹や昆布を入れるなど地方によって色々な方法があったみたいです。現在では、高級料亭などで、白身のお刺身のたれなどとして出しているお店もあるようです。それに、調べてみると商品として販売している物もあったので、出来る限り取り寄せて味見をしてみました。ほとんどの商品は、だし醤油のような感じで煎り酒とは全く違った物でした。中にはかなり本格的な物もありましたが、やはり大将の作った味にはまだまだでした。こうして研究しているうちに、こんなに歴史ある調味料を商品にしたいと思ったのと、日本料理の職人さんの味を出来るだけ忠実に再現したいと思い、取り組みが始まったのです。

まず、大将にお願いして煎り酒を作ってもらい、そのレシピと商品を食品科学研究所に持って行き、商品のレシピを細かく分析し、実際大将が厨房で作る味に非常に近い物である事を目標とし、龍神梅の工場で出来るか、賞味期限はどうなのか、といった事からスタートしました。まず、食品科学研究所で作って頂いた物を味見。これは大将に見てもらったのですが、味は合格。大将はここまで近い物になると思っていなかったみたいです。(ただし、やはり腕の立つ料理人が作った物には勝てません)後は、添加物を使わずに日持ちがするかどうかです。この商品の賞味期限の実験では、食品科学研究所で作ってもらったサンプルでは冷暗所で1年との事。それの試作品を3ヶ月後に食べたら「何か少し違うな」と思い、うちのスタッフ2名にも試食してもらったのですが、2名共変化に気付きます。それは、だしに使っている鰹節の渋味が舌に残っておかしいのです。ただし、これは酸化の数値的には1年たっても大丈夫との事ですが、やはり人間の舌はそれより正確なのかと関心したと共に、この変化は販売出来ないとの判断でしばらくストップ。ここで一般的には酸化防止剤を使います。表示ではビタミンC。これは、L-アスコルビン酸と言った物を使用します。この鰹節の酸化を添加物を使わずにどうするかという問題があります。添加物を使わなければ、本当に一般常温流通での食品を作るのは非常に大変だと言えます。

ちなみに少し話はそれますが、前回70号で書いたエキスの原料で、他のメーカーが原料としてエキスを納める場合のPh、Brix、水分量など同じなのに、うちが一定ではないので大変だと言われて、私もなぜ他のメーカーは一定なのか?という疑問を持っていたので、少し前地元の大手梅屋さんに問い合わせると、やはりPh、Brix共に調整剤を使っているとの事。なるほど・・・それで納得しました。ただし、この場合梅肉エキスとして市販されている物が原料となった場合は添加物は表示しなくてよいのです。食品にはそう言ったカラクリがあるので、添加物が表示されていないからと言って、何も入っていないとは限りません。

さて、煎り酒の酸化をどうして止めるかに話を戻しますが、こう言った鰹や昆布の入っ た商品に鰹エキスや昆布エキスと言った物があります。こう言った物は鰹や昆布の旨みを凝縮した物で非常に便利で意外に安価なのです。ただし、これが自然の鰹の旨みと同じで安心かと言いますと、これはあくまで私の個人的な意見ですが、使いたいとは思い難い物なので、「龍神梅」としてはノーです。なぜかと言うと、エキスと言うのは、煮出した汁を分解濃縮した物なのですが、この分解の時にほとんどの場合、酸分解と言って塩酸などの劇薬を使用するからです。(メーカーによって工程や使い方が違うので、時間をかけた作業をする所もあるのでそこはご理解を)こう言った分析と濃縮の方法は、メーカーに問い合わせてもまず教えてくれません。やはり工程などの見えない物は使用したいと思えないので、今度は酸化が遅い鰹節をと思い、鰹節を色々比較してみました。地元和歌山も鰹の産地でいい鰹節があるのですが、酸化に圧倒的に強く味が上品かつ旨みがあるのは、文句無く波切節の血合いを除いた物です。予想通り波切節の圧勝です。(あくまで私共の調査です)この鰹節に昆布が負けるので、ここまでくれば昆布は大阪の昆布専門店で仕入れる北海道折浜の天然真昆布を組み合わせます。昆布も乾燥や熟成の仕方で旨みが変わるので、この昆布も最高の旨さです。これで本みりんも自分が納得する物を使うなどやってみると、3ヶ月経っても全く味の変化が見られなくなりました。ただし、ここまでやるともう価格的にも商品化が難しくなり、またまたどうしようかって事になりましたが、ここまで時間と労力を使って作った物を販売しなかったら本当に残念と思い、毎月わずかの限定生産する事に決定致しました。もし興味のある方は、ホームページなど見て頂けたらと思います。

うちの場合は、こう言った感じで新しい商品を生み出して行っています。食品の開発をやっていれば本当に色々な壁にぶつかり、しかも添加物を使わず商品を作る事の難しさを常に感じています。添加物を使うのがダメだとはなから決めても、この商品に添加物を使う理由、使わないようにするにはどうしたらいいかなど見えて来ません。まあ現在の食品業界から添加物を無くしたら、ほとんどの商品が流通できなくなるでしょう。一流大手メーカーさんなどは、高い技術力でカバーしているのです。(無菌充填など)無菌充填すれば賞味期限はすごく延びます。しかし、うちのようなごく小さな手作りの工房で、こう言った商品を流通させるのは至難の業ですが、それだけに出来た時の喜びも一入です。
また、同時に様々な商品開発に取り組んでいますので、新しい商品が少しでも多く出して行けるようこれからも努力し、頑張って行きたいと思います。

平成22年9月6日

寒川 善夫


厨房だより

 今回はみんな大好きなカレーと添加物についてのお話です。一般的にカレーを作る時には、カレールウを使う方が多いと思いますが、うちの厨房では基本カレー粉で作ります。なぜカレールウを使わないかと言うと、一般的に多くのカレールウは相当量の添加物が使われています。(ルウでも本当にいい物も出ています)これをどう見分けるかと言うと、原材料名の所を見ます。原材料名の次から多く使用している物の順番に表示されています。まず、ラード(食用油)、小麦粉、砂糖、食塩などが最初の方に来ます。だから、どうしても食塩の摂り過ぎになったり、それなりにカロリーが高い物が多いです。その点、カレー粉(これも原材料表示を見て下さい)は、体にいい香辛料のオンパレードです。まず、カレー粉に一番多く入っているのが、ターメリック、ターメリックとはウコンの事なのです。ウコンと言えば、ウコンの力など肝臓などにとってもいい生姜科の植物なのです。次にコリアンダー、コリアンダーはセリ科の植物の実を粉末にした物で、主に香り付けです。その他香り付けにクミン。これも同じくセリ科の植物の実で、この実がスパイシーで食欲がそそられるのです。他にも赤唐辛子、黒(白)コショウや生姜、ニンニク。これらの香辛料をブレンドした物を、カレー粉と言っているのです。これは、カロリーが少なく体にもいい香辛料のオンパレードなのです。これを使ってカレーを作ると、塩分もカロリーも非常に少なく、子供でもお年寄りでも食べられます。香辛料の辛さと言うのは、体に水分を要求しないので、こう言ったカレーを食べても特に喉が渇いたりはしません。食事の時に、お水をたくさん飲みたくなるような料理はおすすめ出来ません。あれは、体内に急に入れた塩分に対して、体がその塩分を薄める為に水分を要求するのです。ただし、カレー粉で美味しく作るには、ある程度の時間と手間が必要なので、それは、また次の機会にでも・・・。

 スタッフ  菅根